こんにちは!マーケティング部の田中です。今回のブログでは、「オフショア開発とは」から始まり、「オフショア開発の人気国」、「オフショア開発を成功させるポイント6つ」についてご紹介いたします。
オフショア開発とは
オフショア開発(offshore development)とは、ソフトウェアやアプリケーションなどの開発業務を海外の企業や現地法人に委託することです。補足ですが、オフショア(offshore)のオフ(off)は「離れて」、ショア(shore)は「岸」という意味から、オフショア(offshore)は「海外の」という意味があります。
オフショア開発が選ばれる理由
国内のIT人材不足
2019年の経済産業省「IT人材需給に関する調査」によると、2018年時点では、IT人材が約22万人不足しており、2030年には約45万人不足する見込みです。また、中小企業庁「2021年度版中小企業白書・小規模企業白書」によると、半数以上の中小企業が「IT人材を採用・育成する体制が整っていない」と感じており、IT人材の確保・育成が大きな課題となっています。
資料:(株)野村総研究所「中小企業のデジタル化に関する調査」
一方、オフショア開発の人気国では、IT教育が盛んで、国を挙げてIT人材を育成している国もあり、日本に比べて優秀なIT人材が多い状況です。
開発コストの削減
ソフトウェアやアプリケーションなどの開発業務のコストは、主に人件費です。しかしながら、現在国内のIT人材の需要が急激に高まったことで、人件費が高騰し、企業にとっては人件費を抑えることが喫緊の課題となっています。
昨今、オフショア開発国の人件費も上昇傾向ですが、やはり国内に比べて物価は安く、人件費も抑えられるため、オフショア開発は、開発コストを抑えたい企業のニーズにマッチしています。
オフショア開発の人気国はベトナム
オフショア開発. comによると、ベトナムやインド、中国などのアジアが人気ですが、その中でもベトナムが一番人気となっています。では、なぜベトナムが一番人気なのでしょうか。
人件費が安い
2019年の日本貿易振興機構(JETRO)「アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」によると、ベトナムの人件費(月額の基本給)は、中国やインドに比べて低くなっており、他の国に比べて人件費が安いことは人気の理由の一つと言えます。
日本と似ている国民性
ベトナムでは約80%の人が仏教を信仰していると言われています。また、日本では無宗教が多いですが、マナーや文化などに仏教が深く関係しています。文化やマナーが似ていることは、ビジネスをする上で相性が良く、コミュニケーションもスムーズに行えることも魅力です。
ベトナムは親日国家
2017年の外務省「ASEAN10か国における対日世論調査」によると、日本は他のアジア9か国を抑え、ベトナム人から”重要なパートナー1位”、”最も信頼できる国1位”になっており、親日国家であることが分かります。また、ベトナム人は”今後信頼すべき友邦となる国1位”にも日本を選んでおり、ベトナムは今後も友好的にビジネスが出来る国といえます。
オフショア開発に適した業務
出典:「オフショア開発白書(2022年版)」
Webシステム開発
オフショア開発白書2022年版によると、開発案件で「Webシステム/サービス」が1位となっています。では、そもそもWebシステムとは何でしょうか。
Webシステムとは、Web技術を活用して開発・構築されたシステムの事で、具体的にはWebブラウザ(SafariやChrome)がインストールされている端末機器をインターネットに接続し、Web経由でアプリケーションやサービスを利用出来るシステムのことです。Webシステムの例としては、SaaS型業務システムやECサイト、インターネットバンキング等が挙げられます。
「Webシステム/サービス」の開発業務は、ある一定期間開発を行うために人件費が高くなるため、ランキングの通り、人件費が抑えられるオフショア開発を選択する企業が多くなってます。実際に当社でも、SaaS型業務システムを提供しているお客様へラボ型開発サービス(専属のチームを形成し、まだ要件が決まっていなくても柔軟に仮説検証可能な形態)を提供しております。
スマホアプリ開発
オフショア開発白書2022年版によると、開発案件で「スマホアプリ開発」が2位となっています。まず、スマホアプリとはスマートフォンで利用するアプリのことで、代表的な例としては、ゲームアプリや決済アプリ、動画配信アプリ等様々あります。
「Webシステム/サービス」と同じく、「スマホアプリ開発」でも長期的かつ大規模な開発業務における人件費を抑えるため、企業にとってオフショア開発が選択肢の一つとなっています。当社では、マッチングアプリや動画配信アプリ等の実績がございます。
オフショア開発を成功させるポイント6つ
Point ① 日本の国民性と似ている国を選ぼう!
ビジネス全般に言えることですが、海外の取引先が日本の国民性に似ている国だった場合、文化やマナー、背景、考え方も似ているため、よりコミュニケーションがスムーズになり、トラブルが発生しにくくなります。オフショア開発では、言葉だけでなく、業務の進め方やスケジュール管理も重要になってくるため、国民性も意識しながらオフショア開発国を検討する必要があります。
Point ② 正しくしっかりとコミュニケーションが出来るか?
オフショア開発. comによると、「オフショア開発を成功させる上で重要なこと」について質問したところ、多くの企業が「コミュニケーション」を挙げており、企業にとっていかにコミュニケーションが大事かを物語っています。実際に、オフショア開発国とのコミュニケーション不足からトラブルが発生し、失敗してしまう事例も少なくありません。失敗しないためには、まずオフショア開発国(現地)とのコミュニケーションの架け橋となるブリッジSE(システムエンジニア)*と正しくしっかりとコミュニケーションを取る必要があります。
そのため、事前にブリッジSE(システムエンジニア)のコミュニケーション力や語学力、ITスキルをしっかりと確認しましょう。
*ブリッジSE(システムエンジニア)とは、ソフトウェアやアプリケーションなどの開発業務を海外の企業や現地法人に委託するオフショア開発において、現地と日本の橋渡し役となり、開発業務を円滑に行えるよう対応するシステムエンジニアのこと。
Point ③ 開発メンバーは出来るだけ固定出来るか?
長期的かつ大規模な開発業務が多いオフショア開発では、開発メンバーが頻繁に変わる可能性があります。致し方ない理由は仕方ないですが、出来るだけ開発メンバーを固定にしてもらいましょう。そうすることで、開発メンバーの知識が溜まり、より迅速に開発業務が進みます。
Point ④ オフショア開発を受託した実績を確認しよう!
これまでの開発業務の実績のほか、現在進行している受託開発業務を確認しましょう。また確認する際は、受託期間・具体的な開発業務・どこの工程から受託しているかも確認することをお勧めします。その他可能でしたら、ブリッジSE(システムエンジニア)の担当実績も確認すると今後の参考になります。
Point ⑤ スケジュール・進捗管理方法を確認
スケジュール・進捗管理方法を聞いて、どのツールでスケジュール・進捗管理を行うのか事前に確認しましょう。また、ビジネス全般に言えることですが、長期的かつ大規模なプロジェクトほどスケジュール・進捗管理が難しいため、お互いが共通のツールでかつリアルタイムで確認できると良いでしょう。
Point ⑥ オフショア開発国(現地)に任せっきりにはしない!
オフショア開発は、確かにソフトウェアやアプリケーションなどの開発業務を海外の企業や現地法人に委託しますが、日本で要件定義をしなかったり、進捗管理をあまりせず、すべて任せっきりにしてしまうと、スケジュール通りにいかなかったり、システム仕様が希望通りになっていなかったりなどトラブルが発生しやすい状況になります。
そのため、発注する側は任せっきりにはせず、発注する側(日本)と受注する側(オフショア開発国)が1つのチームになり、協力して開発業務を進めていくことが成功するポイントの1つです。
まとめ
長くなりましたが、オフショア開発とは〜オフショア開発を成功させるポイントまで紹介させていただきました。
オフショア開発は、人件費を抑えられるという最大のメリットがありますが、一方で、海外に開発業務を委託するため、コミュニケーションがうまく出来ず、認識の違いが生まれやすいデメリットもあります。ご紹介した成功ポイントを参考にしながら、デメリットを克服し、ぜひオフショア開発を成功へと導いてもらえたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
当社、ディエスソリューション株式会社では、アジャイル開発を用いたスマホアプリ開発・システム開発を得意としております。ご相談は24時間受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。