Webアプリフレームワーク はその経済的な効果、それに技術的なメリットから個人だけでなく、ビジネスのITプロジェクトにも重要な役割を果たしています。しかし、フレームワークはあまりにも豊富に存在します。また、Webアプリについてクライアントの要求が高まるに従い、複雑化または向上された新しいフレームワークは日増しに登場してきます。そのため、開発者は、リッチで高度なウェブアプリを開発するにはWeb開発各フレームワークの機能を深く掘り下げていく必要があります。
本記事では、https://2020.stateofjs.com/の調査結果および、これまで当社のWebアプリ開発経験に基づいて、2022年に人気と予測されるWebフレームワークを紹介します。
Webアプリフレームワークとは?
フレームワークは、ソフトウェア製品の開発にすぐに使用できる基本的なプログラミングモジュールであり、ツールとライブラリを備えたプラットフォームです。
Webアプリフレームワークは必要とされるツールや機能を提供し、Webアプリ、API、その他サービスのアーキテクチャーを構築するためのルールを指定します。そのため、開発者はプロジェクトのスケルトンをいち早く作成し、簡単に要求に応じてスケールできます。また、ユーティリティープログラム、コードライブラリ、スクリプト言語、その他ソフトウェアを備えているため、大規模なWebアプリでも容易に開発できます。
Webアプリ開発プラットフォームはカスタマイズが可能、備えられたテンプレートやコンポーネントを特定ニーズに合わせて調整したり、独自のコードの実装が可能です。
Webアプリケーションフレームワークのメリット
経済的なメリット
ビジネスの視点から見ると、フレームワークを使用するWebアプリ開発は時間とコスト削減という2つの利点があります。
一つ目のスピーディな開発については、開発者は車輪の再発明をせずに、事前に作成されたテンプレートとツールを利用し、プロジェクトの基礎を単純に作るため、大幅に時間の削減を実現できます。その代わりに、特定の詳細要求に集中することにより、将来のソリューションの質向上につながります。
二つ目の信頼性とセキュリティに関しては、既製のコンポーネントが数千デベロッパーにより改善されました。つまり、起こそうな場面で数回テストされました。そのため、数多くのバグを回避し、安定性、信頼性、それに安全性の高いソリューションを作ることが実現できるわけです。
技術的なメリット
バグ回避については上で述べた通り、フレームワークコンポーネントの質は数千デベロッパーにより確保されたので、安全的にプロジェクトに実装することができます。
簡単な保守の観点としては、フレームワークは主にアプリケーションの統一された構造を定義するため、フレームワークに基づくアプリの保守と改良がはるかに簡単になります。開発者はだれでも、アプリコンポーネントの標準的な構成とその運用原則を簡単に理解し、機能を追加したり、変更したりすることが簡単にできます。
優れたパフォーマンスでWebアプリフレームワークはより迅速で 高負荷容量化が良いです。
以上の特徴によってWebアプリフレームワークは、複雑なアーキテクチャーと相互依存が必要とされる大規模なプロジェクトにも適切です。
Web開発フレームワークのおすすめ10選
ここでは開発に最も人気がある10のWebフレームワークを紹介します。
Webフレームワークにはさまざまな種類があり、それぞれプログラミング言語やできることが異なります。そのため、アプリケーション開発にWebフレームワークを使用する場合はWebフレームワークの特徴についても知っておきましょう。
フロントエンドフレームワーク
フロントエンドフレームワークはユーザにウェブページの表示の面を左右します。フロントエンドフレームワークを開発するための最も人気のあるツールはHTML、CSSとJavaScriptです。State of JSは以下5つのフレームワークを2020年に最も人気のあるものとしてランキングしました。
① React.jS
React(React.jsまたはReact.Jsの名称でも知られています)は2013年にFacebookとコミュニティによって開発されました。React.js はフレームワークよりユーザインタフェースの構築のためのJavaScriptライブラリでありますが、主に開発者にフロントエンドフレームワークとして利用されています。
GitHubスター獲得数 | 19.7万 (Facebook/React) |
初版 | 2013年3月29日 |
最新版 | 2021年3月22日 |
プログラミング言語 | JavaScript |
利用会社の例 | Facebook、Codecademy、Atlassian |
メリット
- ReactはHTMLを直接にJavaScriptに取り込みます。新機能を開発する際、開発者はその機能がどのように表示されるかをリアルタイムで見ることができます。
- ユニークなコンポーネント。複雑なUIを分解することができます。複雑なページデザインをより小さなコンポーネントに分割し、同じものの開発を開始することができます。
- Reactには仮想DOMがあります。仮想DOMは、いつ再レンダリングするか無視すべきかを通知します。それでページのパフォーマンスが向上されます。
- ReactJSはすぐ手に入れることができるツールが多くあるため、タスクがより単純になります。例えば、ReactツールがGoogle Chrome機能拡張としての利用が可能なので、開発者はDOMを簡単に検査およびデバッグすることができます。
- 学習しやすいと評価されます。
デメリット
- ReactはUIだけに利用できるため、バックエンドは他のフレームワークを選ばないといけません。
- 新しい開発者にとって、JSXは学習曲線を必要とするため、障壁になる可能性があります。
② AngularJS
Angularはリッチなシングルページアプリケーションの開発に大変有効な役割を果たしています。GoogleはWeb開発を単純化することを目的として、Angularを開発しました。Angularはコードの変更と記述を単純化するコンポーネントでデベロッパーの間で人気があります。
GitHubスター獲得数 | 8.47万 (Angular / Angular) |
初版 | 2016年9月14日 |
最新版 | 2021年6月30日 |
プログラミング言語 | TypeScript |
利用会社の例 | Mastercard、McDonald’s、Forbesなど |
メリット
- 信頼性が高いと評価されます。
- サードパーティーによる開発されたインテグレーションが多く存在するため、Webアプリの機能が全体的に開発できます。
- Angularの依存性導入は非常に有利です。依存関係の作成には時間がかかる場合がありますが、複数の機能が必要なWebアプリを開発する大規模なプロジェクトには役に立ちます。
- Angularは先端なコンパイルがあり、アプリの読み込み時間の短縮に役に立ちます。開発中にはTypeScriptとHTMLはJavaScriptにコンパイルされます。
- 保守しやすい特徴を有します。
デメリット
- 初心者にとっては学習しにくい側面があります。
- SEOが限定されます。また、数多くのバージョンがあるため、開発者はどのバージョンが良いかを迷ってしまう場合があります。
③ Vue.js
Vueは新しく革新的なフレームワークです。Vueを利用し、Webアプリインターフェースを確保しながら、デスクトップとモバイルアプリを開発できます。
GitHubスター獲得数 | 20.1万 (Vuejs / Vue) 3.35万 (Vuejs / Core) |
初版 | 2014年2月 |
最新版 | 2021年4月1日 |
プログラミング言語 | JavaScript、TypeScript |
利用会社の例 | GitLab、Behanceなど |
メリット
- 高いパフォーマンスで、縮小されたjQueryライブラリを利用すると、圧縮されたVueの容量が29KBになります。
- 学習しやすい特徴があります。VueのコンポーネントはHTMLとJavaScriptの組み合わせであり、この2つの言語の経験者はすぐ大規模なテンプレートを作れます。また、Vueのコンポーネントがインタラクティブで再利用可能です。
- リアルタイム更新が必要なアプリに最適です。Vueは双方向データバインディングを簡単に処理できます。コースが変更されると、DOMも自動的に変更されます。
- アプリをAngularからVueに移行することが可能です。
- アプリ構造の設計を自由にすることができます。
デメリット
- 柔軟性が高いからこそ、多数のデベロッパーが参加する大規模なプロジェクトの場合、複雑化され、開発コストの高騰につながることがあります。
- コミュニティがまだ小さいので、サポートの面はまだ限定があります。
④ Ember.js
EmberはオープンソースのJSベースフロントエンドフレームワークです。Emberは、アプリケーションフローとデータマネジメントを備えたソリューションを提供するため、人気があります。
GitHubスター獲得数 | 2.23万(Emberjs / Ember.js) |
初版 | 2011年8月 |
最新版 | 2021年6月10日 |
プログラミング言語 | JavaScript |
利用会社の例 | Intercom、LinkedIn、Twitchなど |
メリット
- EmberのAPIsが使いやすいです。
- 同様なタスクは同時に実装されるため、EmberJsのパフォーマンスが良いです。
- 完全なフロントエンドスタック
- すぐにプロジェクトを開始することができます。
デメリット
- HandlebarよりJSXのほうが柔軟性が高いです。そのため、大規模なプロジェクトにはEmberを活用すると複雑になることもあります。
- タイプチェッキング不可
⑤ Backbone.js
Backbone.jsはフレームワークというよりもライブラリといったほうが正しいです。Backbone.jsはモデルビューコントローラー(MVC)ベースのフレームワークです。
GitHubスター獲得数 | 2.79万 (jashkenas/backbone) |
初版 | 2010年10月13日 |
最新版 | 2019年2月19日 |
プログラミング言語 | JavaScript |
利用会社の例 | Uber、Pinterest、Accenture、Walmartなど |
メリット
- Backbone.jsは最も軽量なJavaScriptフレームワークの一つです。古いコードをリファクタリングし、クリーンアップし、モジュラリティを向上することに役に立ちます。
- パフォーマンスコントロール:他のフレームワークと比較して、Backbone.jsはパフォーマンス、特にモバイルシナリオについてより細かい制御をユーザーに与えます。
デメリット
- 効率性:Backboneはフレームワークというよりもライブラリであるので、既製のコードがあまりなく、開発者は多くのコードを記述する必要があります。
- アーキテクチャー:アーキテクチャーが不明確になる場合があるため、スピードの面では問題があります。
- メモリリーク:JavaScriptの第一人者ではないと、JavaScriptで何をしているのかを常に理解していない場合がよくあるわけです。しかし、Backboneはアプリを開発する時にメモリリークが頻繁に発生します。
バックエンドフレームワーク
バックエンドWebフレームワークはサーバーとデータベース機能を指します。ソリューションロジックとアーキテクチャー、ルーティングプロトコル、データセキュリティ、承認オプションなどに関しています。Webバックエンドフレームワークは.NET、Ruby、Python、Java、PHPなどのプログラミング言語を基盤としています。
⑥ Express.js
Express.jsは、サーバーサイドJavaScriptのNode.jsのWebアプリケーションフレームワークです。迅速かつ軽量で、こだわりが強くないExpress.jsはNode.jsの堅牢性を拡大し、フレームワークのコア機能を提供しています。
GitHubスター獲得数 | 5.88万(Express.js / Express) |
初版 | 2010年1月3日 |
最新版 | 2018年10月10日 |
プログラミング言語 | JavaScript |
利用会社の例 | Nextflixなど |
メリット
- URLとHTTPで既製のアプリのルートを定義することが可能です。
- 静的ファイルとリソースが簡単に提供されます。
- 非常に高度な機能はREST APIサーバーの作成です。
- MongoDB、RedisとMySQLと連携可能です。
- 各ユーザーの要求に応じて、簡単にカスタマイズしたり、設定したりすることができます。
- NodeJSと使用すると、両方のフレームワークは複数の同時アクションを対応可能です。
- コミュニティからのサポートが多いです。
デメリット
- 開発者は他のプログラミング言語から移行する場合、Express.jsのイベント駆動型の性質を理解するのは少し複雑と感じるかもしれません。
- Express.jsでモバイルアプリを開発する場合、ミドルウェアに精通する必要があります。
- Express.jsは大規模のプロジェクトにはあまり適切なフレームワークではありません。
⑦ Laravel
LaravelはMVCベースの無料・オープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。2021年1月、LaravelはGitHubでのスター獲得数がPHP、Ruby、Python等のバックエンド系プログラミング言語のフレームワーク中で最も多いなど、人気のフレームワークの1つとなりました。
GitHubスター獲得数 | 7.14万 (Laravel / Laravel) |
初版 | 2011年6月 |
最新版 | 2020年9月8日 |
プログラミング言語 | PHP |
利用会社の例 | BBC, Ratio, TourRadar, Crowdcubeなど |
メリット
- 大勢のツールが利用可能
- 学習しやすい
- エレガントORMまたはオブジェクト関係マッピング対応
- 追加機能が簡単で、ロジックをHTMLファイルに入れるのが単純です。
- 軽量
デメリット
- Ruby on Railsに比べると、Laravel アプリ 開発がまだ遅いです。
- コミュニティからのサポートが限定されます。
- レガシーシステムはLaravelに移行しにくいです。
⑧ Django
DjangoはPython開発者向けのモデルビューテンプレートのフレームワークです。Djangoフレームワークはセキュリティが高く、強力な機能を有しているため人気を集めています。
GitHubスター獲得数 | 6.72万 (Django / Django) |
初版 | 2005年7月21日 |
最新版 | 2020年8月4日 |
プログラミング言語 | Python |
利用会社の例 | Google、Youtube、Instagramなど |
メリット
- Djangoの資料が多言語で作られているため、学習しやすいです。
- Djangoアプリはサーバー上のIPアドレスではなく、URLを介してWebアプリを制御するため、URLを数値コードに交換しなくても、Webアプリをサーバーに簡単に接続できます。
- データベース設計のための個別のサーバーファイルが必要なく、複数のファイルを同時に実行できるのがDjango開発の特徴です。
- サードパーティーのアプリとのインテグレーションが可能で、柔軟性が高いです。
- 高いセキュリティ
デメリット
- Django web開発はスケーラビリティが高いアプリケーションに適しません。
- DjangoはPythonでコードされたため、学習しにくいです。
- 同時に複数のリクエストに対応不可
- Djangoはモノリシックで、依存関係が少ないです。
⑨ Nodejs (KOA)
KOAはExpressの開発チームにより開発され、Node.js用の次世代フレームワークとして呼ばれています。KoaはGeneratorを使うことでコールバック地獄に陥らないようにさせます。
GitHubスター獲得数 | 3.33万 (Koa.js / Koa) |
初版 | 2009年 |
最新版 | 2021年4月6日 |
プログラミング言語 | C++、JavaScript |
利用会社の例 |
メリット
- KOAはGeneratorを利用することでコードを管理可能化させます。
- KOAフレームワークのコードが550行だけで、非常に軽量です。
デメリット
- KOAのコミュニティが小さくて、サポートが限定されます。
- KOAフレームワークはGeneratorを使用しますが、NodeJSに基づくほかのタイプのミドルウェアとは互換性がありません。
⑩ Ruby on Rails
Ruby on Rails(RoRまたはRailsとも呼ばれています)はMVCアーキテクチャーパターンのフレームワークです。12年前に開発され、現在でもRoRはまだ開発業界からの人気を集めています。
GitHubスター獲得数 | 5.17万 (Ruby on Rails / Rails) |
初版 | 2004年7月 |
最新版 | 2021年6月24日 |
プログラミング言語 | Ruby |
利用会社の例 | Shopify、Groupon、Zendeskなど |
メリット
- 最も利用されているツール
- 複雑なアプリケーションでも対応可能
- 開発の自動化(デフォルトORMシステム)
- オープンソースライブラリが豊富です。ライブラリのカスタマイズが可能
- Action ViewやAction Mailer
- 活気に満ちたサポートコミュニティ
デメリット
- ランタイムスピードが遅い
- 柔軟性が低い
- 間違ったアーキテクチャー決定はRailsでのコスト高騰につながりやすい
まとめ
ここまで各Webアプリフレームワークの特徴を解説しながら、最も人気がある10選のフレームワークを紹介しました。
フロントエンドのフレームワークにおいて、JavaScriptがかつてから最先端に立ってきて直近も変わらない傾向があります。一方、バックエンドフレームワークでもJavaScriptが極めて重要な存在となり、JavaScript言語を利用したExpress.jsフレームワークはWeb開発バックエンドフレームワークの中で優位に立っています。そのほか、Python、PHP言語で開発されたKOA、DjangoとLaravelもWebアプリ開発者からの注目を集めています。
当社はWebフレームワークを利用した開発事例が多くありますので、Webシステム、Webアプリに関して何かご相談、質問がございましたら、ご気軽にお問い合わせください。
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